Hola!(こんにちは!)
コスタリカ在住のfukurouです。
今回は中南米特有の鳥であるオオハシの仲間を皆さんにご紹介します。
オオハシ(日本語で大きな嘴の意味)はその名の通りの大きなクチバシが特徴的で、
コスタリカを含む中南米の熱帯地域に広く生息しています。
そのインパクトがあり色鮮やかな見た目から、コスタリカ人にも愛され、コスタリカを
訪れる観光客の方がぜひ見て帰りたいと願う鳥でもあります。
今回の記事では、コスタリカに生息している6種類のオオハシの生態や観察スポットを
皆さんにご紹介したいと思います。
■生態:
→その特徴的な大きなクチバシからオオハシ(大嘴)と呼ばれます。
日本語ではオオハシ以外にもサイズにより名前が変わりまして、
比較的大きなものを日本語でオオハシと呼び、中型のものをチュウハシと
呼びます。よくお客様からある質問で、「コハシはいないんですか?」という質問
がありますが、コハシと呼ばれるものはおらず、次の項目でご紹介する、
「アオハシコチュウハシ」という何とも中途半端な名前(失礼)の鳥がいます。
英語では「トゥーカン(Toucan)」と呼ばれ、スペイン語でも同様ですが、
小さなサイズのものは「トゥカンシージョ(Toucancillo)」と呼ばれます。
また、オオハシの仲間は飛んでいる時に大きな湾曲したクチバシがバナナのように
見えることから英語の愛称で「フライングバナナ(空飛ぶバナナ)」と呼ばれる
こともあります。コアな野鳥ファンから一般の観光客の方まで幅広く人気の野鳥です
嘴は大きく、重そうに見えますが、実は嘴の中は中空(空洞)で無数の骨のような
支えがあるだけ、材質は私たち人間の爪や髪の毛を作っているケラチンという物質で
出来ており、とても軽いのです。なので彼らは自由に空を飛ぶことが出来ます。
なぜそのような大きな嘴に進化したのかについては詳しい理由は判明していませんが
嘴がカラフルな種が多く、それが天敵に対する警戒食の役割を果たしていたり、
オオハシ類の中で最大種であり、ブラジルに生息するオニオオハシの場合は、
大きな嘴が車のラジエーターのような役割を果たしており、体内の余分な熱を逃がす
働きがあるのではという説があります。
見た目は愛らしいですが、実は獰猛な?一面もあり、大きな嘴を器用に使って、
植物の実だけでなく、小型の爬虫類(トカゲなど)、カエル、他の野鳥の卵も
丸のみにして食べてしまいます。
コスタリカの代表的な鳥の1種であるケツアールの天敵でもあります。
コスタリカではロッジやレストラン等で野鳥の餌台を設置してフルーツ等を置いて
野鳥にあげている場所もたくさんありますが、このオオハシの仲間が来るとそれまで
フルーツを食べていた小鳥たちが一斉に逃げ出して、オオハシが去るまでは
戻ってこないということもあり、ドラえもんのジャイアン的なポジションの鳥です。
コスタリカでは高山帯を除く、国土のほぼ全域に生息していますが、特に
観察がしやすいのは、標高の低いコスタリカの太平洋とカリブ海側の熱帯地域です。
その他、モンテベルデやサンヘラルドデドータのような標高の高い地域でも
生息している種がいます。
■コスタリカに生息している6種のオオハシ:
→コスタリカには6種類のオオハシが生息していて、そのうちの4種類は、
比較的簡単に観察することが出来ます。
①キバシミドリチュウハシ:
→オオハシ類の中では比較的標高の高い地域にも生息しており、モンテベルデや
サンヘラルドデドータといった標高が1500mを超えるような山岳地帯でも
観察することが出来ます。名前の通りオオハシ類の中では小型の部類で体長は
約30cmほど。ニカラグアや南部パナマ、エクアドル等にも生息しています。
②クリハシオオハシ(ニショクキムネオオハシ):
→コスタリカに生息している6種のオオハシのうちの最大種で、カリブ海側や
太平洋側低地の熱帯地域で非常によく見られます。
嘴の長さはなんと16cmもあり、体長は50cm程度。
③サンショクキムネオオハシ:
→コスタリカに生息している6種のオオハシの中でも恐らく最も有名なオオハシかも
しれません。お土産屋のグッズ等でもこのオオハシをモチーフにしたものが一番
多いと思います。
④ムナフチュウハシ:
→コスタリカの主にカリブ海側地域でよく見られる中型のオオハシ。
集団で生活していて、群れで移動しているところをよく見かけます。
体長は約41cmほど。
⑤アカハシムナフチュウハシ:
→ムナフチュウハシと似ていますが、その名の通り嘴の上部が赤いのが特徴。
コスタリカの太平洋側南部熱帯林地域に生息しています。
↑上の写真がアカハシムナフチュウハシ。自分で撮ったいい写真がなかったので、
図鑑の写真を掲載しておきます。
⑥アオハシコチュウハシ:
→かなりレアな鳥で、まだ私は一度も野生で見たことがありません。
名前の通り、オオハシ類の中では小型の部類になります。
コスタリカの北部やカリブ海側地域の非常に限られた小さな地域に生息しており、
他のオオハシ類と異なり、うっそうと茂った森の中から開けた草地に出てくることは
ほとんどなく、コスタリカに生息している野鳥の中でも観察の難しい種の1種です。
↑残念ながらアオハシコチュウハシの写真も持っていませんので、図鑑の写真を拝借
いつかは自分で撮影してみたいものです。
■どこで見られるの?:
→キバシミドリチュウハシ以外は、コスタリカの太平洋とカリブ海側の熱帯地域で
観察をすることが出来ます。ここではいくつか個人的オススメスポットを
ご紹介します。
オオハシ類のほとんどは他の小鳥と比べると体が大きく目立ちますが、自然の中で
発見するのは意外と容易ではありません。
やはり、確実に観察したいならガイドツアーに参加するかまたは、餌台のある
ロッジならそこにやってくるのを待ち構えるというのも良い方法です。
①サラピキ:
→コスタリカのカリブ海側地域にある熱帯雨林地域。主にムナフチュウハシ、
サンショクキムネオオハシ、クリハシオオハシが良く見られます。
詳しい動物観察スポットは僕の前の記事を参照頂ければと思います。
②モンテベルデまたはサンヘラルドデドータ:
→コスタリカの代表的なケツアール観察スポットで、モンテベルデはサンホセから
車で約4時間の距離にあるコスタリカでも最も有名な観光地の一つです。
サンヘラルドデドータも同様で、ケツアール観察のしやすい場所として有名。
どちらともに標高が1500mを超える山岳地帯でキバシミドリチュウハシが
観察出来ます。
この2か所の詳しい行き方や個人的なオススメスポット等については、
また、別の機会に皆さんにご紹介させていただきたいと思います。
③アレナル:
→タバコン温泉やアレナル火山が有名ですが、動物や野鳥観察スポットとしても
楽しい場所です。アレナル・オブザバートリーロッジ(Arenal Observatory Lodge)
という場所はアレナル火山国立公園内にあり、野鳥愛好家に有名なロッジです。
アレナルもまた、別の記事で皆さんに詳しくご紹介させていただきます。
主にサンショクキムネオオハシ、クリハシオオハシ、ムナフチュウハシ等が良く
見られ、希少種のアオハシコチュウハシも生息しています。
④マヌエルアントニオやコルコバード国立公園:
→コスタリカの太平洋南部では有名な自然観察スポットで、クリハシオオハシの他、
アカハシムナフチュウハシの観察が期待できます。
また、マヌエルアントニオとコルコバード国立公園共に鳥類をはじめとする
様々な生き物が生息している場所なので、動物好きの方には特にオススメです。
以上、熱帯の人気者であるオオハシの説明となります。
派手な見た目だけでなく、体の構造や意外?と肉食な生態などにも着目して、
コスタリカや日本の鳥類園などで見た時には観察してみてください。
今回も最後まで記事をお読みいただきありがとうございました。
それでは、Hasta Luego!(また 次回!)