Hola!(こんにちは!)
コスタリカ在住のfukurouです。
今回はコスタリカを代表する動物の1種であるナマケモノを皆さんにご紹介します。
コスタリカを訪れる観光客の方が最も見たい動物の1つに挙げられる非常に
人気の高い動物です。
ナマケモノという生き物のことを知っている人は日本でも多いかもしれませんが、
意外と彼らの生態は謎に包まれていて詳しい彼らの生態については
知らない方も多いのではないでしょうか?
今回の記事では一般的にあまり知られていないナマケモノの生態をご紹介します。
■生態:
→世界では5種類のナマケモノが生息しておりそれぞれ、前足の指の数から、
「ミユビナマケモノ科」、「フタツユビナマケモノ科」の2つの科に分けられます。
中米に生息しているフタツユビナマケモノは南米に生息している
フタツユビナマケモノとは少し異なり(頸椎の数が異なる)、ホフマンナマケモノと
呼ばれています。
ミユビナマケモノでコスタリカに生息している種は「ノドチャミユビナマケモノ」と
呼ばれます。
代謝が非常に遅く動きがゆっくりとしているため日本語名の「ナマケモノ」という
名前が付きました。面白いことに英語でも同じく怠惰を意味する「Sloth」、
スペイン語でも同じくものぐさを意味する「Perezozo(ペレソソ)」と呼ばれます。
研究によるとナマケモノの代謝スピードは冬眠をしない動物の中では最も
遅いという研究結果が出ており、昔、ヨーロッパからの征服者たちが初めて、
この生き物を見た際にあまりにも動かずに何も口にしないことから、
風から栄養を得ている仙人のような生き物であると思われたほどです。
1日の大半を眠って過ごし(20時間)、極力を体温を上げずに代謝を落として
生活をしています。食事から睡眠、交尾、出産、子育てを全て、樹上で行います。
食べ物は植物の葉や新芽で自分の体毛に生えたカビや苔も食べます。
1日に5~8g程度の食べ物しか口にしません。
藻は脂肪分が多く栄養がありナマケモノにとって重要な餌の一つです。
四肢(前足と後ろ足)がとても長くフックのような長い爪と眠っている時は
自然に指が閉じるような構造で血管網も進化しており木にぶら下がっている時も
筋肉を冷やしてエネルギーの消費を抑えることが出来ます。
筋肉の量は少ないですが筋肉の繊維がゆっくりと収縮するため持久力が高く
樹上の生活に適した体の作りをしています。
ですが筋肉の構造上、震えることが出来ず体温を上げることが出来ませんので、
爬虫類と同じく日光浴をして体温を上げる必要があります。
体温が低くなりすぎてしまうと腸内の消化を助ける細菌の活動が鈍ってしまって、
食べ物(葉)を消化することが出来ず消化不良による栄養失調で餓死してしまう
ことがあります。それを避けるためにも彼らは日光浴を行います。
食べる量も少なく代謝も遅いのでトイレに行く回数は週に1回のみ、
その時だけ木の下に降りてきます。
木の下に降りてくる時は彼らにとって非常に危険な時間帯であり、
捕食者(ジャガーやピューマ、ワシ等)や人間(密猟者)に見つかりやすく
ある研究によると報告された死因の半分はトイレに降りてきた際に、
地上近くで捕食者に襲われたケースだそうです。
そこまでしてトイレに降りてくる理由はまだ完全に解明されたわけではありませんが 研究によるとナマケモノと共生関係にあると考えられるガの1種が、ナマケモノの
排泄の際に糞に卵を産み付け、孵化した幼虫は糞を食べて成長します。
成長した幼虫はナマケモノの体毛の中に入り込みそこで交尾をして繁殖します。
そうして成長したガの糞がナマケモノの餌の1つである藻の成長を助けているのでは
ないかという説があります。
地上での動きは遅いものの泳ぎは得意。(ミユビナマケモノだけが泳げる)
■コスタリカに生息しているナマケモノの種類:
→コスタリカではそれぞれ、「ホフマンナマケモノ」と
「ノドチャミツユビナマケモノ」の2種類のナマケモノが
国土のほぼ全域に生息しています。
■どこで見れるの?:
→ナマケモノはコスタリカのほぼ全土で広く生息しております。
基本的にミツユビナマケモノは熱帯低地林地域に生息しており、
ホフマンナマケモノはもう少し標高の高い地域にも生息しています。
余り標高が高い地域(2000m)を超えるような地域では見られません。
ナマケモノは1日のほとんどを寝て過ごしていますので動かず野生の環境下では
非常に上手く擬態しており、ぱっと見では木のこぶに見えることが多いです。
確実に見たいという方はガイドが雇うのがオススメです。
■ナマケモノ観察の個人的オススメスポット:
→コスタリカでは野生のナマケモノを観察出来る他、各地の野生動物保護施設でも、
ナマケモノを観察出来ます。今回は野生と飼育(人間の保護のもと生きている)の
両方のナマケモノの観察スポットをご紹介します。
〇野生のナマケモノ観察スポット:
1)サラピキ:
→コスタリカのカリブ海側地域に位置する熱帯雨林地域。
サンホセから車で約2時間と比較的、近い距離でアクセスしやすいのが特徴。
ホテルや現地ツアー会社の動物観察ツアーに参加してみるのがオススメです。
ナイトツアーでは運がよければ、動いているナマケモノを観察出来るかも?
2)トルトゥゲーロ:
→サラピキと同じく、コスタリカのカリブ海地域に位置する熱帯雨林地域。
サンホセからは車とボートを乗り継いで行きます。
サンホセからトルトゥゲーロの各ロッジが主催している泊りがけのツアーに参加
出来ます。ツアーにはトルトゥゲーロ国立公園ボートツアーをついていますので、
そちらのボートツアーで観察出来る可能性があります。
3)アレナル:
→現地ツアー会社が催行しているカニョネグロボートツアーに参加する方法や、
その名もSloth Watching Trailという場所がありそこではほぼ100%の確率で、
ナマケモノを観察することが出来ます。
Sloth Watching Tourは現地の様々なツアー会社が催行しています。
4)マヌエルアントニオ国立公園:
→コスタリカ最小ながら最も人気の高い国立公園で特徴としては
野生の環境下でナマケモノが近距離で観察しやすいという特徴があります。
サンホセからは直通のバスも出ており訪問しやすいのもメリット。
ただし、年末年始やイースター休暇の際等は非常に混み合うますので、
早めに訪れたほうが良いです。2種類のナマケモノが生息。
5)コルコバード国立公園:
→コスタリカ最後の秘境とも呼ばれる国立公園で2種類のナマケモノが生息。
サンホセからはシエルペ(Sierpe)という村またはドラケ(Drake)という村まで
車両や国内線で移動し、そこからボートで国立公園内にあるステーションまで移動
するか、現地ツアー会社やホテルが主催しているツアーに参加することにより
訪問することが出来ます。とにかく、色々な動物が見たいという方は
泊りがけで訪問することをオススメします。
〇保護下のナマケモノ観察スポット:
1)スロース・サンクチュアリ(Sloth Sancutuary):
→コスタリカのカリブ海側地域にあるナマケモノの保護施設です。
サンホセから訪問する場合は日帰りでは難しいのでカウイータ(Cahuita)
という町で宿泊して訪問することをオススメします。
2)トゥーカン・レスキュー・ランチ(Toucan Rescue Ranch):
→サンホセから車で約45分ほどの距離に位置する野生動物保護センターで、
野生動物の保護事業の他、観光客や現地の人々に対するツアーも行っています。
サンホセの現地ツアー会社ではこの施設を訪問するツアーも手配されている他、
泊りがけのツアーやボランティア体験も行えます。
3)レスキューセンター・コスタリカ (Rescue Center Costa Rica):
→サンホセから車で約1時間ほどの距離に位置する保護施設となります。
こちらの保護施設を訪問ツアーは催行されていませんがボランティアとして
働くことが出来ます。
■観察をする際の注意点:
→ナマケモノは一見無害で何も自分を守るための武器を持っていないように見えます
しかし、彼らは非常に鋭い爪を持っていてその爪で敵をひっかいて攻撃します。
ナマケモノが近くで観察出来るようなことがあっても決して近づきすぎないように
実際にペルーのアマゾン地域で捕獲したナマケモノを抱っこ出来ることを
売り物にしていた部族がおり、ある欧米人の男性がナマケモノに頸動脈を
爪で切り裂かれ失血死してしまったという事例も過去にあります。
以上、コスタリカのナマケモノについてのご紹介となります。
見かけやイメージと異なる意外なギャップのあるとっても面白い生き物です。
皆さんも是非コスタリカや他の中南米で動物観察ツアーに参加される際は、
ガイドさんと一緒に探してじっくりと観察してみてください。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、Hasta Luego! (また 次回!)