Hola! (こんにちは!)
コスタリカ在住のfukurouです。
今回はコスタリカのコーヒーについてご紹介させていただきます。
コスタリカを含む中南米の主な産業の1つと言えばやはり、コーヒーです。
コスタリカも同様でコーヒー産業は国の発展に大きく貢献してきた歴史があり、
この国ではコーヒーのことを別名「金の粒(グラノ・デ・オロ)」とも呼んでいるほどに
コスタリカの発展の歴史と密接にかかわっている作物です。
コスタリカ人にとってはコーヒーは国民的な飲み物といっても過言ではなく、
小さな頃(赤ちゃんに飲ませる方も中にはいらっしゃいます!)から親しんでおり、
彼らの生活にとってなくてはならない飲み物の1つです。
それだけにこだわりは半端ではなく世界一に選ばれるような質の高いコーヒーを
世界中に輸出しています。
それではコスタリカのコーヒーの歴史から順にご紹介していきます。
■コスタリカのコーヒーの歴史:
→コスタリカにコーヒーが入ってきた年代やコーヒーが持ち込まれた場所には、
諸説ありますが1776年にカリブ海諸国(キューバ)から持ち込まれたという
説が現在のところ最も有力な説のようです。
1800年代の初頭、コスタリカは中米の中でも貧しい国で国を大きく発展させる
ような産業はありませんでした。
コスタリカのコーヒー産業の始まりは1816年頃にまでさかのぼります。
当時、サンホセに住んでいた牧師の方が家の庭にコーヒーの種をまいたところ、
非常によく育ち収穫できた種を近所の方々にも配りコーヒー栽培を
広めていったのがコスタリカのコーヒー産業の始まりと言われています。
その後、当時、コスタリカの大統領がコーヒー栽培を奨励し土地を無償で与える
などの優遇政策をとりコーヒー栽培を国の主要な産業にするべく奮闘しました。
そのような努力のかいあり徐々にコーヒー農園の面積は広がっていき
コーヒー栽培に携わる人々の数も増えていきました。
その後、1800年代の中頃からコスタリカのコーヒー産業は繁栄を極め、
コーヒーの輸出業によりお金持ちになる人も現れ彼らは俗に
「コーヒー貴族」と呼ばれました。彼らは政治の世界でも大きな影響力を
持つようになり、例えば、以前にご紹介した「国立劇場」もコーヒー貴族の
財力を駆使してコスタリカのオペラ座を目指して作られました。
その後、1900年代に入ると大規模生産を行っているコロンビアやブラジルのコーヒー
に押されコスタリカコーヒーの不遇の時代がありましたが1900年代後半から、
コスタリカは生産量で勝負するのではなく品質の良さで世界と勝負するべく
法律などを改正し、品質の良いコーヒーを生産するべく努力をしてきました。
現在ではコスタリカのコーヒー=品質の良さにこだわったスペシャリティコーヒー
とされており、環境に配慮した生産方法をとっていることもコスタリカコーヒーの
大きな特徴となっております。
■コスタリカのコーヒーの特徴:
→コスタリカでは1989年に政府が作った法律によりコーヒーの品種は100%、
アラビカ種で統一されていました。しかし、2018年の2月に政府は法律を改正し、
アラビカ種の育たない地域(高温多湿な地域)の一部で、暑さや病害虫に強い、
ロブスター種の栽培を認めました。
ですが、現在でも大部分のコスタリカコーヒーはアラビカ種で統一されており、
アラビカ種の特徴である酸味が強く苦みが弱くフルーティーな香りが楽しめ
飲みやすいというのがコスタリカコーヒーの大きな特徴です。
コスタリカに限らずコーヒーを栽培する場所のほとんどは山岳地帯であり
傾斜がきついために機械を使った収穫をすることは出来ません。
そのような理由から熟したコーヒー豆を収穫する際は手摘みで収穫をします。
コスタリカの社会問題の1つとして若者の農業離れというのがしばしば
問題として取り上げられています。
やはり、日本と同じようにきつい労働を強いられる割には対価が少なく、
割に合わない職業と認識する若者も多くコスタリカ社会の悩みの種になっています。
コスタリカでは不足している農業分野での労働力を補うために隣国の貧しい国々であるホンジュラスやニカラグア、エルサルバドル等の国から農作物の収穫時期になると
一時的に季節労働者を受け入れる方法を現在のところとっています。
■コスタリカ人のコーヒーの飲み方:
→コスタリカ人にとってはコーヒーとは日常になくてはならない飲み物であり、
日本人にとっての緑茶にあたるものです。中には体質的にコーヒーが飲めない人も
いますが大部分の人はコーヒーが大好きで1日に5杯以上飲む人もいます!
彼らのコーヒーの飲み方としては砂糖を大量に入れるという特徴があります笑
どんな美味しいコーヒーでも砂糖をばんばん入れてあま~くしてから飲みます笑
一般的にコスタリカ人は甘い味付けが大好きで現地の人に合わせた日本食は
私たちのような日本人からすると甘すぎる味付けになることが多いです。
コーヒーも同じで彼らは甘くないとコーヒーではないと思っている節があります笑。
上の写真は現地でチョレアドールと呼ばれているコスタリカの伝統的なコーヒー淹れ機?です。コーヒーの粉を布で出来た袋の中に入れて、後はお湯を注ぐだけの
非常にシンプルな構造をしています。
コスタリカ人はこれで淹れるコーヒーが1番美味しいという方もいらっしゃいます。
お土産としてスーパー等でも売っていますので興味のある方は購入されてみては?
■シェイドツリーとは?:
→コスタリカはもともと赤道近くの熱帯に位置し安定した日照量があります。
しかし、コーヒー栽培には日光があればあるほど良いというわけでもありません。
そのためコスタリカでは「シェイドツリー」という方法を利用しています。
シェイドツリーとはその名の通り日光を遮って日陰を作るための木です。
このシェイドツリーをコスタリカではコーヒーの豆の木の横に植えることにより、
必要以上の日光がコーヒーの木にあたらないように調整をしています。
また、シェイドツリーを使うことによりコーヒーの生育スピードが速くなりすぎず
コーヒーの木の寿命が延びて結果的に農薬の使用料も減り環境に優しくなります
その他、土壌の浸食を防いだり枯れ葉や枯れ枝が天然の肥料になる他、
様々な種類の木々を植えることによりミミズや昆虫が繁殖します。
そのミミズや昆虫を食べるために色々な野鳥がやってきて野鳥が落としていく糞
がまた土壌をより肥やすための天然の肥料となりというように
シェイドツリーという手法は「サスティナブル(持続可能な)」
なコーヒー栽培であり環境に与える負荷の少ない方法として注目されています。
■代表的なコーヒー農場:
→コスタリカには小さな個人経営のコーヒー農園も入れると無数のコーヒー農園が
ありますが今回は代表的な大~中規模の農園をご紹介します。
それぞれのコーヒー農園ではコーヒー農園ツアーも行っており、
サンホセからのツアーに参加して訪問することも可能です。
①Britt(ブリット) コーヒー農園:
→1985年にアメリカ人のオーナーによって作られたコーヒー農園ですが、
使用しているコーヒー豆は100%、コスタリカ産のコーヒー豆です。
どちらというと高級コーヒーの部類に入ります。
例えば500gの袋入りコーヒーが7ドル~9ドルぐらいと他の市販のコーヒーに
比べると少し高めですが、その分味は良くコクがあります。
ブリットコーヒー農園はサンホセから車で約40分程度の場所に位置しております。
サンホセのホテルから送迎バスが出ている他、送迎付きのツアーに参加することも
可能です。
ツアーでは他のコーヒー農園と少し異なりプロの劇団員がツアーガイドとなり
演劇風のコミカルなツアーでコーヒーの栽培から収穫、焙煎までプロセスを
学ぶことが出来ます。
②DOKA(ドカ)コーヒー農園:
→サンホセから車で約1時間ほどの距離に位置している1940年から続く
コスタリカの中規模コーヒー農園の1つとなります。
コーヒー農園内にはレストランやお土産屋もあります。
サンホセからのツアーに参加することで訪問することも出来ます。
③スターバックスコーヒー農園:
https://www.starbuckscoffeefarm.com/en/
→2013年にスターバックス社が世界で唯一の自社農園としてオープンしました。
もともとは実験農場として使用されていた農園で品種改良を加えた
様々な種類のコーヒーが楽しめる他、ツアーに参加するとコーヒーの試飲も
行うことが出来ます。
農園内にはカフェとお土産屋がありこの農園でしか購入することの出来ない
コーヒーも販売されています。
ツアー料金はお一人様US30ドル(2019年10月16日現在)
ツアーは英語とスペイン語のツアーがございます。
■オススメのコーヒー:
→個人的なオススメのコーヒーをご紹介します。
①ブリットコーヒー:
→お値段は高めですが味にはコクがあり香りも他の市販のコーヒーと比べると
豊かでオススメです。また、パッケージにも高級感があり日本へのお土産としても
良いのではないかと思います。
その他にコーヒーではありませんがブリット社の販売しているチョコレートや、
クッキーなどのお菓子も味のバリエーションが豊富でコスタリカで販売されている
他のお菓子に比べると甘さが控えめで日本人の方が好む味だと思います。
特に、コーヒー豆をチョコレートで包んだお菓子はとても美味しいです。
甘さ控えめが良い方はダークチョコレートでコーティングされたものを、
甘いものが好きな方は、ホワイトチョコレートでコーティングされたものを、
ぜひ、お試しください。
↑ブリット社の人気商品であるコーヒー豆をチョコレートでコーティングしたお菓子。
写真はダークチョコレートでコーティングしたものなので、甘さ控えめで、
日本の方にも好まれる味だと思います。
↑こちらはパッションフルーツのジャムが入っていて、結構甘いです。
②1820:
→読み方はそのまま「いちはちにいぜろ」と読みます。コスタリカが歴史上初めて
自国のコーヒーをパナマへ輸出した記念すべき年号にコーヒーの名前が由来。
コスタリカ国民が愛飲するコーヒーの1つで特徴は何といっても安いこと。
500gの袋でも3ドル以下で購入できます。
味もまさにアラビカ種のコーヒーという味で酸味が強く苦みは弱く
非常に飲みやすい万人受けしやすい味だと思います。
リーズナブルなお値段なので試しに買ってみてはいかがでしょうか?
皆さんもコスタリカにお越しの際はぜひお試しあれ!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
それでは、Hasta Luego! (また 次回!)