Hola!(こんにちは!)
コスタリカ在住のfukurouです。
今回は世界でも最も美しい鳥とも呼ばれるケツアールを皆さんにご紹介します。
コスタリカでは約900種の野鳥が観察されており、その中でもケツアールは、
コスタリカのシンボルといっても過言ではありません。
コスタリカは非常に小さな国で面積としては地球の陸地面積の約0.03%足らずですが、
その小さな国の中に地球上に生息している生物種の約6%が生息していると言われます。
野鳥の種類も非常に豊富で留鳥(渡りをせずに、1年中、特定の地域に生息する野鳥)と渡り鳥を併せて、約900種近くの野鳥が今までに記録されています。
この数はどれぐらいすごいかというとアメリカ合衆国とカナダの2か国で観察出来る野鳥の数よりも、この小さなコスタリカで観察出来る野鳥の種類のほうが多いのです。
しかも、コスタリカの場合小さな国ですので移動にそこまで時間をかけなくても、
車で2~3時間ほど移動しただけで環境が大きく変わります。
短い期間で様々な野鳥を観察されたいという方にはコスタリカはオススメの国です。
その中でもケツアールは絶対に見ていただきたい野鳥です。
それではケツアールの生態から皆さんにご紹介していきます。
■生態:
→ケツアール(Quetzal)とはキヌバネドリ科に属する野鳥で、ケツアールという名称は英語でもスペイン語でもなく、実はアステカ(かつて、メキシコで栄えた文明)の主要言語の一つであった「ナワトル語」に由来しています。
ナワトル語で、「大きく輝く尾羽」という意味があり、日本語でも名前がついていて「カザリキヌバネドリ」と呼ばれます。
体長は33cm~36cm程度ですが、大人のオスは大きな長い飾り羽(尾羽と勘違いされる方が多いですが実は、腰からあの長い羽は生えています。)を持ち、飾り羽を含めると全長1mを超えることもあります。
グアテマラの国鳥(コスタリカに来られる方の中には、ケツアールがコスタリカの国鳥だと思って来る方もおられますが、実は違うのです!コスタリカの国鳥はちょっとびっくりするぐらい地味な鳥です。。。それは、また、別の記事でご紹介します。)
でもあり、現地通貨の単位名「ケツアール」の元にもなっています。
また、一説によるとあの手塚治虫先生の「火の鳥」のモデルになったのもこのケツアールと言われており、それぐらい本当に美しい鳥です。
僕も仕事柄(旅行業を生業としています)何度もケツアール観察に足を運び、それこそ3桁に近い回数ケツアールを観察してきましたが、いつも見るたびにため息が出ます。
そろそろ皆さんケツアールの実物を見たくなってきたのでありませんか?
それでは皆さんにもケツアールをご覧いただきましょう!
どうでしょう!この美しい姿!このかわいいくりくりのお目目!
美しいandかわいいという、こんな女性がいたら、間違いなく、世の男性は放っておかないはず!(上の写真のケツアールはオスですが)
とまあ少し取り乱してしまいましたがこの美しい羽の配色は自然の神秘、芸術と考えざるを得ません。
■どこで見れるの?:
→ケツアールを含む「キヌバネドリ」の仲間は羽が絹のような光沢と質感を持つことからこの名前が付きました。キヌバネドリの仲間は中南米だけでなく、アフリカやアジアにも生息(英語ではtrogon トロゴンと呼ばれます)しております。
いわゆるケツアールと呼ばれる、カザリキヌバネドリはメキシコ南部からパナマの山岳地帯に生息しています。
一口に同じケツアールといっても地域により差があり(生物学の用語で亜種と呼ばれます。)例えば、グアテマラに生息しているケツアールとコスタリカに生息しているケツアールでは鳴き声や体の大きさ、羽根の色合い等に違いがあり一説によるとコスタリカに生息しているケツアールが一番羽の光沢が美しく、体のサイズも小さくでかわいいという話を聞いたことがあります。(諸説あり)
ケツアールを見るために中南米に来るのであれば、断然コスタリカをお勧めします。
理由としては以下の通りです。
①観光業が発展しているので、ツアーやガイドの選択肢も豊富。
②観光業が発展しているので、ガイドの質が他の中南米諸国に比べ、高い。
③治安が比較的よく、小さな国なので、移動も簡単。
④ケツアールの保護に力を入れている自治体や地域があり、ケツアールの生息数が多い。
①と②はコスタリカならではの特徴で、観光が国の主要な産業のため、
競争が激しくなおかつ資格を持った人のみがガイドを許されている等、
他の中南米諸国(他の国では、資格を持っていないそこらの辺のおじさんとかが普通にガイドしたりしています。)と比べ、観光業に力を入れており、ツアーやガイドの質
が高いことがコスタリカの大きなメリットの一つです。
③は、あくまでも比較的という感じですが他の中米の国々と比べると治安のよい
国であると感じます。
最後の④が最も重要な点かと思うのですが世界的にも有名なモンテベルデの他、
コスタリカではいくつかの地域、自治体がケツアールの住処となる森や好物の
リトルアボカドと呼ばれるクスノキ科の植物を植え、ケツアールの数を増やそうという取り組みをしてきました。
かつてはコスタリカも農業や牧畜業の拡大の影響もあり森林が伐採され動物たちの住処が失われていったという過去があります。
しかし、コスタリカの人々はその後考えを改め、1970年代から自然保護を推進する国へと徐々にシフトチェンジしいまでは世界でも有数のエコの国と呼ばれるまでになりました。
そのような取り組みもありコスタリカには現在約500羽のケツアールが生息しているというデータが出ています。
■観察にオススメの時期:
→オススメの時期はコスタリカ国内でも場所によって変わります。
例えばモンテベルデであれば一番見やすい時期は、ケツアールの子育てが始まる
乾季、その中でも3月後半から4月と言われています。
有名なモンテベルデ自然保護区の他、近年はサンホセから南へ約2時間の距離にある
「San Gerardo de Dota(サンヘラルドデドータ)」や
「Cerro de la Muerte(セロデラムエルテ)」という地域もケツアール観察の
人気スポットになっており、僕の個人的なお勧めはサンヘラルドデドータです。
なぜかというと、ここでは1年中、コンスタントにケツアールが観察出来る
場所だからです。尚且つ、モンテベルデは、サンホセから車で、片道、約4時間
かかり、途中、約1時間ほどの未舗装の悪路を走る等、厳しいですが、
サンヘラルドデドータまでの道は、舗装されています。
コスタリカの乾季(12月から4月頃まで)は雨が降らず(地域にもよりますが)
カラッと晴れることも多く、動物観察に適した時期ですが、その代わり、
いい季節なので、その分、世界中からの観光客の方でごったがえす時期でもあり、
渋滞や事故、ツアー中も動物を見に来ているのか、それとも、人を見に来ているのか
分からなくなることがあります。
逆に雨季は、その名の通り、全国的に雨が良く降りますが、基本的に、
雨が降るのは、午後であり、午前中に降られることはあまりありません。
■観察の際の持ち物:
最後に、ケツアール観察の際の持ち物をご紹介します。
①車酔いの薬:
→これはコスタリカ旅行をされる際の注意点の一つですがコスタリカは、
国土の約3分の1が山または山々に囲まれた盆地からなる山岳国です。
ですので必然的に移動の際には山を越えたり、山道を走る機会が多くなります。
そこで、気をつけたいことは「車酔い」です。
僕は、車に酔わないタイプなので、問題ないですが、人によっては、車に、
酔いやすいタイプの方もいらっしゃいます。
車酔いをしやすい方は、日本から酔い止めの薬を持参することをお勧めします。
②防寒具:
→モンテベルデもサンヘラルドデドータも山岳地帯で、モンテベルデは標高が、
1500mを超え、サンヘラルドデドータは標高が2000mを超える場所での、
ケツアール観察となります。特に野鳥観察のツアーは、基本的に、
早朝に行われますので、防寒具や寒がりの方は手袋なども持参したほうが良いです。
③観察道具:
→双眼鏡はあったほうが良いです。もちろん、ツアーに参加される場合、
同行するガイドが望遠鏡を持っていて、それでケツアールを見せてくれたり、
スマートフォンのレンズを望遠鏡の接眼レンズに当て、写真を撮ってくれたり
しますが、やはり、自分でじっくりとケツアールを観察されたい方は
双眼鏡をご持参することをオススメします。
④カメラ:
→③でご説明した通り、同行ガイドがスマートフォンと望遠鏡を使って、
まじかでケツアールの写真を撮るサービスをしてくれることが一般的ですが、
写真にこだわる方は一眼のカメラや、一眼のカメラの入手が難しい場合、
デジカメでも60倍~70倍の高倍率のカメラがそれこそ、数万円という、
お値段でネットで販売されていますのでそちらを購入されても良いかもしれません。
■観察の際の注意点:
→ケツアールを含め、野生動物を観察する際はガイドの指示を守り、動物との
適切な距離を保って観察をしましょう。
特に繁殖期(乾季)はどんな動物でも神経質になります。
ケツアールを見れて、嬉しくなるのは僕も良く分かりますが、大きな声は出さず、
静かに見守ってあげましょう。
以上、ケツアールとケツアール観察についてご紹介させていただきました。
コスタリカには、まだまだ、綺麗な動物、面白い動物がたくさん生息しています。
これからも、このブログを通じて、少しずつ、皆さんに発信していきます。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、Hasta Luego!(また 次回!)